「音楽に対する信念は変わっていない」

──2023年7月1日、ツイッターにてヨエコとして音楽活動再開を発表。そのツイートが5.1万リツイート、9.1万いいね、872.9万閲覧と驚異的な数字を叩き出しております。この反響にはどんなことを感じました？

ヨエコ：最初は、驚異的かどうかも分からないSNS音痴なため、「何か大変な事になってるの？私……」とキョトン状態でした。発表前、そもそも知名度がある訳でもなかった歌手の引退から15年も経っているこの令和時代に、誰にも需要がなかったり、活動再開に何も反応がなかったらどうしようと、かなり弱気でした。ですが、友人達が「トレンド入りしているよ！」とか、テレビの情報番組で扱われる現実を見聞きして、少しづつ理解し始め、驚きと共に、大変な勇気を頂きました。

──倉橋ヨエコの音楽活動を追わせて頂いていた身からすると「どこにそんな隠れていたんだ？」と失礼ながら思ってしまいました（笑）。ただ、あの反響の多くは、廃業後にネット等を介して好きになった人たちなのかもしれないなと。廃業から15年、自分の音楽が評価され続けている実感ってありましたか？

ヨエコ：実感はありませんでした。確かに「どこにそんな隠れていらしたのか？！」と思いました（笑）。それもやはり時代、ネットのおかげですよね。活動再開と共に、Twitterを生まれて初めて（笑）始めたんですが、皆様のお声を拝見していると、昔から聴いて下さった方もいらっしゃれば、若い世代の方にもチョイス頂けて、とても光栄に思っています！

──そんなヨエコさんのニューアルバム『ニューヨエコ』がリリースされます。自身では仕上がりにどんな印象や感想を持たれていますか？

ヨエコ：ずっと共演したかった、Aggressive Jazz Trio「Re-trick」さんと作品を作るという夢が叶った、記念すべき1枚になりました。昔はどんな曲でも命懸け、120％のパワーで歌い、1人突っ走って、力み過ぎて、空回りしていました（笑）。音楽を楽しめていない……それは長くは続かないですよね。今は音楽をリスナーとしてもやっと楽しめるようになりました。無理し過ぎず病気とうまくバランスを取りながら、今こうして存在する自然体の姿勢で、歌っていこうと思いました。

──『ニューヨエコ』のティザー映像を公開した際「ヨエコさんの音楽に救われてきました。新作楽しみです！」「生きる希望が出来ました」といった趣の言葉が多数寄せられました。読んだときにどんな気持ちになりましたか？

ヨエコ：天空へ突き抜けるくらい嬉しかったです。逆にこちらこそありがとうございます！と申し上げたいです。

──体調と相談しながらの判断になるかと思いますが、いずれはライブでファンの皆さんと再会したり、今のヨエコの音楽を生でお届けしたい気持ちはありますか？

ヨエコ：まだライブへの自信はないのですが……リハビリボイトレを頑張って歌えるようになったら（人前で歌うのは中国でのイベント出演以来で……笑）ライブもお届けしたいです！

──では、最後に、これからのヨエコさんの音楽活動を楽しみにしている皆さんへメッセージをお願いします！

ヨエコ：以前とは生きる価値観は変わりましたが、音楽に対する信念は変わっていないです。自分が経験した事、その気持ちを全面にガンガン歌にする。そこにほんの少しでも、誰かの役に立ちたい、喜んで頂きたい、お世話になった分お返ししたいという新しい感情が加わりました。それをニューヨエコとして、興味を持って聴いて頂ければ幸いです。どうぞよろしくお願い致します。